表現力の授業①

 提出書類のヒント集です。ここからは1ページが長いですから、読み物としてのんびり読んでください。

提出書類のヒント集

志望理由書の目的と意義Ⅰ

 何はともあれ志望する大学・専門学校と目指す大学の学問、専門学校の専門について研究してください。これが意外と難しいようで、日々、受験生の指導に苦労しています。

文章を書く難しさは、そこで使う日本語ではなく、そこに書く中身!

 時々、面接試験の質問に対し『私はこちらの大学で○○学を勉強したいです。』と答え、『○○学はうちの大学では専門外ですが。』と突っ込まれる受験生がいます。
 言語道断です!
 喧嘩を売ってるのでしょうか?この受験生は(笑)!
 マ○ドナルドに入って『かつ丼1つ!』と注文を出すのと何が違うのでしょうか?
 こんな風に注意すると『知らなかった!』と開き直る受験生もいます。しかし、知らないというのは勉強不足なだけで、試験問題に答えられないのを『知らなかった!』と言ったところで相手にされません。残念ながら合格以前に受験姿勢を考え直すべきでしょう。けど、現実として不合格になるかなりの受験生がこれに近いパターンなのです。
 そもそも『これならウチの大学ではなく、他の大学でもいいじゃん?』って感じの志望理由を書いても評価が低くなります。いや、低いどころか『失礼』ですよ。『私はこの大学に入りたい!』と主張するなら、当然、『なぜ?』となって、その『なぜ?』の答えが『別にウチじゃなくてもいいじゃん!』だったら、相手はどう思うでしょうか?
 ここが志望理由書の難しさです。
 小中学生が『したい!』『やりたい!』『入りたい!』というのとは違うのです。
 しっかりと自分の志望校に向き合ってください!
 国公立大学ならともかく、特に私立大学には建学の精神と言うのがあります。そこで学ぶ学生は、創設者の掲げた『建学の精神』『教育理念』を理解することが何よりも要求されます。大学によっては創設者の建学の精神の授業があり、それを受けなければ単位がもらえないところがあります。ミッション系(キリスト教系)大学なんて良い例ですね。必修科目にキリスト教精神なんてのがあったりします。それらを知る上でも、志望大学に関する情報はしっかりと調べるようにしましょう。
 また、専門学校にしても、ただ金をかけた設備だけを売りにしている学校もあれば、そうでない学校もあります。志望理由を見つけるために学校を研究しているうちに、宣伝に騙されていただけだということに気づく場合もあります。大手の受験サイトや受験雑誌など、金さえ払えばいくらでも宣伝ができ、本当に実力のある学校なら、そんなに金をかけずとも、学生がちゃんと集まるものです。
 まずはしっかりと研究して下さい!
 そして、くどいようですが、できることなら複数の大学の資料を入手し、他の大学・専門学校についても研究してください!
 これも前述のとおりで、自分がやりたい学問・専門をとうとうと語った後、実はその学問・専門は、その志望校よりも他の大学・学校の方が強かったなんてこともあり得ます。情熱的に語るその受験生の熱意は評価しても、本当は弱いのに、そこをくどくど称えられたら、聞いている方は惨めになってしまいます。弱い学問・専門を志望理由にするのは避けた方が良いでしょう。そのためにも、自分が行きたい大学・専門学校だけに囚われて視野を狭くしてしまうのではなく、いろいろな大学・学校と比べてみて、それでもあなたの大学・学校を選んだんです!と熱意を示した方が良いのは、火を見るより明らかでしょう。
 もう一度、言います!
 何はともあれ、まずは志望校の研究!!
 情報の収集!
 そこからすべて始まります。
 …っつうか、これから高いお金を払って4年、ないし2年つきあう相手なんですから、じっくりと調べ上げてください!

志望理由書は、自分の人生を見つめなおす最大のチャンス!

 さて、ここまで志望理由書を書くのに準備が必要なのはお話ししました。
 では、実際に志望理由書の中身についてお話します。
 まず、私が志望理由書の指導をする際、具体的な志望理由書を例文として出して『これを真似しろ』とはいいません。なぜなら、志望理由書とは、17~18歳の今の君たちの魂の叫びでなければならないからです。
 …っつうか、よく考えてみましょう!
 80人出願して5人しか合格しない入試に、どっかのパクり志望理由書を提出して合格すると思いますか?200人エントリーして段階を踏んで受験生を減らし、最終試験で10人残し、8人を合格させて【合格率1.25%】と発表するような総合型選抜に、当たり障りのない本やどっかのサイトを読んで適当に書いた志望理由書で合格できると思いますか?
 時々、超難関、紙一重の倍率の総合型選抜に合格した受験生がいると宣伝している方がいますが、そんなもの何の役にも立ちません。もちろん、私が指導した受験生の中にはそのような学生がいますし、このサイト経由で知り合った見ず知らずの受験生の中にもいます。87人中、2人で湘南にある某有名大学に合格した受験生とか。けど、そんなもの何の意味もないのです!数字で判断される相対評価の入試ならともかく、絶対評価の入試では、君自身考えた『君だけの物語り』への序章を書かなければならないからです!
 もう一度、言います。
 他人のサル真似をして、自分自身を否定する受験生が、難関入試に合格するわけありません!
 熱く語ってください!
 遠慮せず、存分に自分を表現しましょう!!
 一応、参考例が欲しければ参考書を紹介しておきます。また、大手受験サイトでも、最近では一般的な書き方を紹介しています。右下に紹介しておきますので、関心があったら見てみましょう。

志望理由書を書くのは面白い!

 志望理由書とは何でしょうか?
 それは、決して志望校へ出すラブレターではありません。
 志望理由書を書くというのは、いや、志望理由書の内容を考えるというのは、17~18歳の君たちが、これから大人の社会へ足を踏み入れ、どのように社会とかかわっていくか、自分の人生を見つめなおし、考えなおす機会なのです!
 時々、私のところへ参考書やテキスト、問題集の出版依頼の話が舞い込みます。予備校講師、学習塾講師、そして、日本語学校の講師をしている仕事柄、いろいろなところから話が舞い込みます。そして、忙しく断るたびに周りから言われることがあります。
 『本を書くことで、先生の知識を整理することができるんですよ!』
 そのとおりだと思います(けど、時間がないの!)。
 自分の想いを、知識を、経験を、『文字』というものに著わすことで、著わす過程で、自分の心の中にあったものが整理されてきて今まで見えなかったものが見えてくるのです!そのために、世の先生たちは著作を著わすのです。
 『志望理由書』も同じです!
 志望理由書で求められているのは、今の君たちの、青春真っ只中の情熱と夢を著わす『作品』なのです。
 だからこそ、ぜひ楽などしようとせず、いい加減に考えず、しっかりと悩み、苦しみ、そして新しい道を見出すような、そんなスゲェ志望理由書を書いてみましょう!!

 

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自分の身体とばかり向き合っていないで、自分の心と向き合おう!
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