志望理由書を書いてみよう!
前のページで推薦入試で提出する『自分をPRする書類』を確認しました。前のページで書いたとおり、都道府県によって書類は様々ですが、ここでは、まず始めに前のページで紹介した書類の中で最も重要な志望理由書(志願理由書)の書き方についてみて行きましょう。
志望理由書を書く前 ~その姿勢と準備~
◆真面目な生徒
まず、このサイトの大学入試のページに志望理由書のページがありますが、そこのページでは受験生の個性をPRするように薦めています。なぜなら、大学入試の特別選抜(志望理由書が必要な)入試では、高校入試の倍率とは比べ物にならないくらい競争が激しいからです。86人の出願で2人しか合格しないような入試もあるくらいです。そこで、魅力的な個性をアピールするように指導します。
しかし、高校入試では?
このページを読んでくれるような受験生ならもう知っていると思いますが、倍率は存在しても、大学入試に比べればそれほど厳しくはありません。昨今の少子化の影響で、その傾向はますます強くなっているような感があります。
このような入試の状況で、無理に個性など主張する必要はないと思います。もちろん、自己PRは大切ですが、そこに奇抜な発想など書くよりはむしろ、真面目で真剣に高校進学を考えていることをアピールした方がいいでしょう。真面目に取組んだ部活動、生徒会活動などを中心に将来の夢、高校入学後の目標などを書いてください。
◆なぜその高校か?
自己アピールをするわけですが、自分が高校でやりたいことは必ず書きましょう。ただし、その『やりたいこと』も、他の高校でもできるような内容では良くありません。その志望する高校でなければダメだということをアピールして欲しいのです。
そのために、志望校に関する『勉強』をしましょう。一番良いのはパンフレットですが、ぜひ志望する高校へ見学に行きましょう!文化祭や学校説明会、進路相談会など積極的に参加し、情報を集めましょう。
◆文章力
大学入試のように数千字も書くような場合とは違い、それほど長い志望理由を提出するようなことはありません。ですので、ワンパターンな構成しか書けないでしょう。ですから、文章力がどうだとかは悩む必要はありません。下書きの段階で国語の先生に見せてチェックをもらえばいいのです。
ただし、それ以外の要素では、個人差が生じます。
その1つが文字です。
字は人を表すという言葉どおり、その人が書いた文字を見れば、人となりがわかってしまいます。ですので、大きな字で丁寧にはっきりと書くようにしましょう。他の人に書いてもらうのは、絶対にいけません。
◆ハローエフェクト
「ハローエフェクト」という言葉があります。これは別名「後光効果」「ハローエラー」と呼ばれるものです。文章で言う「ハローエフェクト」とは、美しい文字を見ると、まるでお釈迦様の背後から後光がさして見えるかのように、その字を書いた人物が素晴らしい人物であると錯覚してしまう場合を指します。もちろん、その逆も同じで、字が下手だと書いた人物を疑ってしまうような錯覚も指します。ですので、前述のとおり、字は奇麗に、ていねいに書くようにしましょう。「字より中身だ!」と言ったところで、相手にされないのです。
◆面接との関係
志望理由書の役割の1つは、面接試験の際の質問をつくることにあります。大抵の面接試験では、この提出した志望理由書をもとに行われますので、いいかげんな内容を書いたり、人任せに書いてしまい、面接での回答と食い違うようでは合格は難しいでしょう。
ただ、考えようによっては、これほど良いものはありません。面接で聞いてほしいことをあらかじめ書いておけば、自分の答えられそうな話題へ振ることもできるのです。
志望理由書を書く前に ~そのポイント~
◆具体的に書く
志望理由書(志願理由書)に書く内容は、その高校を選んだ理由です。その理由を具体的に書きましょう。
どんな理由が考えられますか?
- 学校の雰囲気、学校の教育方針が気にいった。
- 学校の施設・設備が気にいった。
- 大学進学実績。
- 就職実績。
- 入りたい部活動がある。
- 学校行事や制度(留学等)に参加したい。
- 他では学べない専門分野がある。
- 通学しやすい。
等々…。具体的に書くようにしましょう。そのためにも、先に書いたように、志望高校についてしっかりと研究して下さい。
◆自分だけの志望理由書
受験だから真面目に考え、書類は真面目に書かなければならないのは当然のことです。ですが、あまりに緊張しすぎて自分らしさが消えてしまっては、評価が下がってしまいます。他の人の言葉ではない自分の言葉で書いていきましょう。
例えば、入学案内のパンフレットに書かれている素晴らしい教育方針のような言葉があります。それを抜き出してそのまま記入するのではなく、一度、自分の中で整理して、自分なりの表現で書いてみましょう。難しい言葉や堅苦しい表現を使う必要はありません。自分の気持ちを素直に表現することを心がけて下さい。
理由を考えるということは、自分を見つめなおすきっかけにもなる!
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