入試作文の書き方
このページでは、高校入試の作文・小論文について考えてみましょう。
◆何をどうやって書くか
まず、作文について、推薦入試のような場合は、自分のことについて書くのが一般的です。お決まりの課題も『入学後、何をやりたいか。』『中学時代、どのようなことに力を入れたか』『将来の夢』等、自分のことについて書かされる。そのためには、以下の３つの点を意識して準備していこう。
①自分の未来に関すること。
自分の未来に関すること、と書いてみたが、難しく考える必要なありません。要は、これからのこと、『高校生活への抱負』『志望理由』『将来の夢』『○年後の自分』と言った、これからのことについて書けばいいのである。
②自分の過去に関すること。
①に対し、自分の過去に関することを書かせることもある。『中学時代、一番力を入れたこと』『心に残った出来事』『感動したこと』『私の中学時代』といった内容だ。ただ過去のこととは言っても、ダラダラしてたようなことを書いても評価されない。何かを頑張ったことでどのようなことを学び得たのか、このような点を意識して書くようにしよう！
③自分に関すること。
『私の大切なモノ』『心に残った本』『心に残った言葉』『私の尊敬する人物』『自分が心がけていること』等々…。お決まり的な内容を書かせる作文試験があるので、それに対応した準備をしておきましょう。
◆書く時の注意点
残念ながら、国語の時間、作文の指導はおろそかにされがちで、原稿用紙の書き方程度の指導しか受けたことがない高校受験生が多いようです。原稿用紙の書き方程度なら、便覧系の国語の参考書にいくらでも出ていますのでそちらを見て、ここでは注意点をいくつか挙げておきます。
①原稿用紙の書き方
原稿用紙の書き方は必ず守るようにしましょう。しかし、県によっては、あるいは、高校によっては、文字数をカウントしやすくするため、原稿用紙の書き方を無視し、指定通りに書かせる入試もあります。その場合は必ず指定を守るようにしてください。
②一文の長さ
実際の生徒の文章を添削すればやたら目に付くのですが、思ったまま書いていくと一文が長くなってしまう場合があります。原稿用紙の１行は概ね２０字と決められており、そこに４行も５行も一文で書いてしまうと長すぎて読みづらくなってしまいます。そこで私の場合、一文の長さを２０字～４０字で書くように指導しています。これがおおよその基準です。守って書けばとても読みやすくなります。守るようにしましょう。
③文末を統一する
日本語の文末表現には「常体」と「敬体」の２種類があります。常体とは「～だ」「～である」で終わらせるような文体のことをいい、敬体とは「～です」「～ます」で終わる文体を言います。どちらで書くかは先生によって違いますが、必ずどちらか一方で統一して書くようにしましょう。
「戦争はよくないと思います。なぜなら、大勢の人命が人為的行為によって奪われるからだ。」
敬体で「～思います。」と書いてあるのに、次の文末は常体で「～からだ。」となっていますね？どちらかに統一するようにしましょう。
④書き言葉と話し言葉、漢字
作文では書き言葉を使うようにしましょう。とはいっても、中学生ですので、中学生で可能な範囲で書き言葉を使ってください。ただし、中学生だからと言って許されないことがあります。それは漢字です。小学校で習うような漢字すら使わずひらがなで書く受験生がいますが、これは減点です。
「きょう、がっこうでともだちと遊びました。」
中学生レベルの漢字を使って丁寧に書いてください。
⑤ハローエフェクト
ハロー効果、後光効果とも言います。これは、分かりやすく言うと、見た目、印象が邪魔をして誤った判断をしてしまうことを言います。ハローエラーとも言います。誰しも外見が立派な人を見れば中身も立派だと勘違いしてしまいます。クラスにイケメンの男の子がいれば頭がよく見えてしまい、実はただの馬鹿だった、なんてよくある話です。
作文でも同じ効果が出てしまいます。どんなに立派な素晴らしい内容でも、汚い字で書いていればハローエフェクトが働き、評価が低くなってしまいます。また、どんなに幼稚な内容を書いていても、美しい字で書いてあれば評価が高くなります。よって、字は丁寧に書くようにしましょう！「人間、中身だよ！」とは言え、その中身を疑われてしまうのです。
原稿用紙の使い方は、先方の指定を必ず守る！
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