多様化する受験の裏事情

高校生活

入試の多様化

 一般選抜、学校推薦型選抜、総合型選抜などなど、名称も変わりますます入試も多様化してきました。けど、何でそんなことするの?とりあえずここでは、予備校講師から見た大学入試の台所事情をお話します。

AO入試は、もともと一般入試でした。

 かつて、予備校発売の本やら何やらでは、AO入試は一般入試の一部です。…って、書いてました。
 けど、何で一般入試?

 現在、社会問題になっていますが、少子化の影響で、どこの大学でも学生確保に必死です。偏差値上位の一流大学でも営業活動をする時代です。
 学校法人というところは、入学時に入学金と授業料を徴収します。そして、立てた年度計画に従って、その利益を全て使い切らなければなりません。
 つまり、金儲けをしてはいけないのです。
 金儲けをしてはいけない代わりに学校内では、普通の個人がやったらJASRACに訴えられるようなことをガンガンやってもいいことになっています。…って、これは大袈裟かもしれませんが、営利目的の団体ではない皆さんの学校の校内放送では『SMAP』だのをガンガン流していませんか?  これが学校法人です。
 全ての予算を使い切らなければならない。まぁ、中には『寄付』という名目で資金を隠しているところもあるのでしょうが、タテマエはそうです。
 しかし、金儲けをしても(使い切らなくても)いい金があります。それが受験料なのです。
 そんな理由でも、学生確保に必死になっています。
 話がかなりそれましたが、こんな訳で少子化というのは作りすぎてしまった大学にとって致命傷とも言うべき現象です。
 さて、以上のような感じで、一般選抜では、大学間で受験生確保の激しい共食いが展開されています。募集が非常に苦しい状況になってきました。
 2月に行われる一般選抜で、もし安定した学生数が集まらなければ、次年度の運営が苦しくなります。二次募集、三次募集をかけたところで、もう3月です。それでは遅すぎます。
 そこで、『早めの特別選抜(指定校、一般推薦、自己推薦等)で優秀(真面目)な学生を確保する。しかし、特別選抜の募集人数割合は決められている(多くなりましたが)し、時期が決められてしまう。
 だから、一般入試の一部であるAO入試を導入して学生を確保しようとしてきた。AO入試なら、学力の低すぎて白紙答案を出すような学生でも合格にできる。数は確保できる。
 …これが本音です。
 つまり、かつてのように一般選抜で学生をふるいにかけて引っかからないような学生を落っことすようなことができないような大学の総合型選抜(旧AO入試)は、余程のことがないかぎり、不合格になることはないのです。
 試しに誰か、どこまで酷いことやっても落ちないか、実験してくれませんか(笑)?

 

 

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