新学習指導要領の英語

CEFR

英語コミュニケーション能力を身につけろ!

 ここまででCEFRが求めていることについて何となく分かっていただけたかと思います。また、これからの社会で必要とされるのは英語のマニアックな『言語知識』ではなく『コミュニケーション能力』であって、文部科学省が求めている、否、社会が求めているのは『第二言語習得』なのだと。
 以上を理解した上で、今後の大学進学に必要となる『英語コミュニケーション能力』を身につけることについて考えたいと思います。

文科省が求めている英語能力はCEFRです。外部試験の成績ではありません。

 文部科学省は、英語の授業を『外国語学習』から『第二言語習得』へと変更したと説明してきました。
  「そんなのオマエの思い込みだろ?」
 と思う方もいらっしゃると思いますが、実際にはその方向で進んでいます。 あれこれ言う前に、先ずは下をしっかりと読み込んでください。
 また、日本の大卒は第二言語を習得していないというお話もしました。現代社会では、これが危機的状況であることは、テレビのニュースを見ていても分かると思います。
 ちょうどこの記事を書いている現在、ウクライナ情勢から目が離せなくなっています。
 それらの報道で、各国の首相や大統領が画面に登場しますが、よく聞いてみましょう!
 様々な国の大統領や首相が話している言葉、例えば、ウクライナ大統領なら、ロシア語で話していたり、ウクライナ語で話していたり、英語で話していたりしているのに気がつくと思います。ロシア語やウクライナ語について詳しく分からなくても、英語以外の言語で話している時と、よく聞くと英語で話している時があります。
 また、ウクライナ大統領に限らず、その他の国の首脳でも、母語で話すときと英語で話す時があります。
 それが当たり前なんです。
「いや、ヨーロッパは複言語主義だからそうなってるんだ。」
 いいえ。他の国でも同じです。
 外国人留学生たち(別にヨーロッパだけではありません)に「日本の首相は英語を話せなくてもなれる」というと驚きます。驚くどころか、私のことを嘘つき呼ばわりします。
 もちろん、過去の首相の中には宮澤喜一のように英語が堪能な総理大臣もいましたが、多数派は英語なんかろくに話せません。

 外国の首脳の英語は発音が下手?
 そういうあなたには、第二言語がありますか?
 VIPやエリートでなくても、この国際化、グローバル化の時代、第一言語(母語)だけでは生きのこれないのです。 第二言語を持たない大卒は不要、ということで大学入試でもCEFR判定しようとしています。

大学入試で英語コミュニケーション能力を測るのは難しい?

 試験をやる方も大変?
 いいえ。英語コミュニケーション能力を見るなんて、めちゃめちゃ簡単ですよ!
 立場を変えて考えてみて下さい。
 例えば、日本の大学に進学する外国人留学生の大学入試では、必ず『面接』があります。もちろん日本語での面接です。日本人である皆さんが日本語で外国人留学生と面接すれば、一発でそのコミュニケーション能力が分かってしまいます。外国人留学生が受験する日本語検定試験(外部試験)『日本語能力試験』でN2(CEFR‐B2)の合格証明書を提出したところで、日本語のネイティブ・スピーカーである日本人が面接すれば一発で分かってしまいます。別に日本語の専門家である必要はありません。外国人留学生がアルバイトの採用面接を受ける時、店長が面接をして日本語能力を判断する、それと同じです。店長がアルバイトに応募した外国人の日本語能力を判断するのに『店長に外国人の日本語能力を判定する力はない!ちゃんと専門家が作った試験に合格したんだ!』と言ったところで、無視されるだけでしょう。その店長が大学教授に変わっただけで大学教授として日本語コミュニケーション能力を判断するだけなのです。
 同じです。
 日本人受験生の英語コミュニケーション能力を測りたいなら、外部試験がなんちゃら以前に、英語のネイティブ・スピーカーが面接すればいいだけです。それは決して面接でなくても構いません。ネイティブ1人を囲んでグループになっておしゃべりするだけでも分かってしまいます。経済学部なら、ネイティブ1人を囲んで経済学に関するグループワークなんてのを『英語で』やらせたりすれば尚良いでしょう。
 英検2級?TOEFL?TOEIC?
 それは単なる『おおよそのレベル(ランク)』であって、本当にCEFR‐Bレベルの英語能力があるか、CEFR判定のスキルを持ったネイティブ・スピーカーならすぐ分かってしまうのです。

なら、何をすればいいの?

 おじさんおばさんの世代が受けて来た英語教育は、とにかく『言語知識の詰込み』でした。その『言語知識の量』を競う、まるでクイズ番組のような入試でした。それが英語コミュニケーション能力を判定する入試に変わるというのですから、当然、英語コミュニケーション能力を身につけなければなりません。
 では、どうすれば良いのでしょうか?
 その前に確認してほしいのですが、私はこの『言語知識の量』を否定していません。要らないなんて言いません。あくまでも『言語知識』の教育に偏っていたことが問題なのです。偏り過ぎて、知らなくてもいい(知らなくてもいいかどうかは、英語を第二言語として習得したことの無い英語教師には判定できません)言語知識まで教えていたことが問題なのです。
 これからの英語は、身につけた『言語知識』を使えるようにならなければなりません。
 そのためには?
 英語を使っていくしかありません。
 英語を使うとは?
 CDやDVDや動画相手に英会話をするのではなく、生身の人間と英語でやりとりすることです。
 おじさんおばさんの世代が受けて来た『知識詰込み型偏差値教育』で身につけた英語では、相手からの返事があらかじめ想定されている質問を暗記させられました。けど、その質問に対する生身の人間からの返事、というより反応を全く教えてもらえませんでした。やりたくても人材的に、また、技術的に難しかったというのもあるでしょう。けど、生身の人間とのやりとりがなければ、コミュニケーション能力を身につけることは出来ません。ある英単語ひとつ使うのも、受け止めた相手によって、人によって、その反応は違うのです。そういう生のやりとりを繰り返していくことで、英語(に限らず)コミュニケーション能力が磨かれて行くのです。
 よく「英会話なんてやったって使う機会がない」という話しを聞きます。それも、英語教師までがそんなことを口にします。私たちおじさんおばさんの世代が受けて来た『知識詰込み型偏差値教育』では「こんな英語の知識を身につけたって意味がない」と言うたび「入試(進学)に必要だ」と言っていた英語の先生たちが、今度は「進学に必要」になる英会話を「使う機会がない」と否定しているのです。歪んだ『知識詰込み型偏差値教育』こそ「入試以外に使う機会がない」と思うのですが、英会話はその後の人生でも必要となる機会がさまざまおとずれます。「英会話なんてやったって使う機会がない」なんて話しは無視するようにしましょう。こんな話しを真に受けたところで悪影響しか受けません。
 こんなこと書くと叱られますが、私はあるSNSの自己紹介に、当時『龍〇伝』で主演をつとめていた『福山〇治』の写真を『自分だ』と称して貼り付けました。自分の良い写真がなかったのでシャレで(笑)。そうしたら、途端に、日本人と友だちになりたいという海外からのアクセス(特に女性から)がありました。ほとんどが英語でしたが、よく読むと、私が大学時代に学んだドイツ語もありました(笑)。誰も見ないだろうから反応はないと思いこんで貼り付けたのが、とんだ混乱を招いていしまいました(笑)。慌てて削除し、IDも消去しましたが(笑)、イケメンって、本当に羨ましい!と思いました(苦笑)。
 ここで言いたいのは、今の技術を使えば、いくらでも海外と繋がることが出来るということです。もちろん、シャレでも私のような失敗はしないでください(笑)。自分から主体的に動けば、英語を使う機会などいくらでも見つけられるのです。
 うだうだ言ってないで、主体的に積極的に動いてみましょう!

 もし余裕があれば、下のようなオンライン講座なんてのを利用するのも良いでしょう。

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ろくに第二言語習得が出来ていない人の話しには耳を傾けないようにしましょう!有害なだけで悪影響しか受けません…って、泳げない人から泳ぎの話しを聞きますか?実際に釣をしたことのない人から釣の知識を聞きますか?

 

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