②きっかけ
前のページでは『①意思表示』を行いました。意思表示のために将来の目標や夢が必要だと。このページでは、さらにその夢に説得力を持たせるための『②きっかけ』について見てみましょう。
きっかけは、これまでの生活の中から生まれる!
将来の夢を宣言した後は、『きっかけ』を書くようにしましょう。ただ漠然と『俺は/私は、こんなことがしたい! 』と言われても説得力がありません。その夢に賭ける情熱に説得力を持たせるため、自分がその夢に至った経緯とドラマ(体験等)を書いて下さい。では、その『きっかけ』とはどういうものでしょうか?
人間が何かを目指そうと考えたとき、『きっかけ』なんて、実にくだらないものである場合がほとんどです。男なら『失恋』であったり、『スケベ心』であったりと、口にすることも出来ないほど恥ずかしい理由だったりします。
なら、どのようなものを書けばいいでしょうか?
もちろん、正解のない課題ですので、前述の『失恋』なんて書いてもいいとは思うのですが、やはり大学の先生を説得するのは難しいと思います。自分の失恋と大学の専攻分野をつなげる根拠が弱いからです。
けど、そうでなければ、実は何でもいいんです!
工学部へ進学するのに『ガンダムを作りたい!』だっていいじゃないですか!!(…って、ガンダムは戦争の道具ですから、好みの分かれるところでしょうが)
志望理由書が書けない学生のほとんどが、志望動機があやふやだという問題を抱えています。ただ何となく、ただ入りたいから、そういった答えが返って来ます。将来の夢も同じで、何となくそんな感じ、という受験生が大勢います。そのあやふやな将来の夢を確信化する意味でも、このきっかけは大切になるでしょう。
もちろん、いきなり『ガンダムを造りたい!』なんて言って、子どもの頃、ジオンのモビルスーツを格好良くやっつけるガンダムの姿に憧れたから、なんてのはちょっと…。
小さなきっかけでも構いません。別にドラマチックである必要はありません。しかし、この後のページ『教育の二面性』や『夢の見つけ方』を読んでくれれば、どういった学生が合格していくか、おおよその見当がつくと思います。
そう。
勉強もそこそこ出来て、思い切り高校生活をエンジョイした学生が合格していくのです。
高校時代、いろいろな経験をした、その中から自分の将来を見つけた、こういったパターンが好ましいのは言うまでもありません。もちろん、高校に入る前から持っていた夢でも構いません。
前のページで、『本来、学業、人物共に優れた人物を推薦するはずの入試で、出来の悪い学生を推薦してくる高校の先生』について述べましたが、このようないい加減な進路指導をする学校の先生から『成績が悪いから』という理由で推薦型選抜、総合型選抜を勧められた受験生なら、志望理由書を書くこと自体、厳しいと思います。
しっかりと入試の主旨を理解したうえで、志望理由書作成をしてください。 志望理由書の書き方胸をはれ!
正解の無い課題だと書いています。
だから、思いっきり書いて下さい!
さっきの『ガンダム』の話しを、もし『普通の大人』が見たら、どんな反応をするでしょうか?おおよその反応は『呆れ果てる』か、学校の先生のように指導する立場なら、当然、潰しにかかるでしょう。そして、お美しい、お上品な、おりこうさんなきっかけへと書き換えるよう『強要』してくると思います。例えば、自分の人生に影響を与えた本や、人物について書け、とか。別にそれが悪いと言っているわけではありません。それが自分自身の本当の気持ちならそれで構わないでしょう。問題なのは、『本当の気持ち』と言う部分で、そうでないのにそんなこと書こうものなら、そのいい加減さは、一生、君を苦しめることでしょう!
確かに、内申でほぼ合否が決まってしまうような入試や、ほぼ100%合格する指定校推薦だのの志望理由書ならそれで合格するでしょう、否、そうじゃなければヤバイでしょう。
けど、前述、高倍率が成立する入試で合格するなら?
そんなことで合格すると思うか??
もう分かりますよね?
どっかりあぐらをかいて腕を組んで目を閉じ、自分の周りの空気の流れに耳を澄ましましょう。
荒波が打ち付ける海岸で、岩に片足を乗せて、腕を組んで水平線の彼方を見つめてみましょう。
そして、問いかけるんです。
『俺は/私は、これから何をしていくの?』
その魂の叫びを載せて、想いをつづって下さい!!
皆さんには将来の夢がありますか?
…こんなことを聞くと普通は『あるよ。あたりまえじゃん。』という答えが返ってきます。ところが、面白いことに、志望理由書の指導になると、とたんに口が堅くなってしまいます。その最大の理由は『言うのが恥ずかしい』というものです。
子供のころから、出る杭は打たれる教育を受けて育ってきます。下手なことを口にすると大人たちから叩かれて育つのです。だから、今の世の中がおかしくなっちゃったんですが、それはそれとして、夢を聞くと、とたんに『さぁ。』とか言って『ありません。』と言ってきます。
全く…。
誰だって夢を持っていて、それに上下の差なんかないんです。
もちろん、
将来、M78星雲にまで行って、ウルトラマンになりたい!
なんて夢は論外です(笑)。
こういう場合は『ウルトラマンになりたい』よりも『俳優になりたい』とでも言うべきでしょう。
けど、
宇宙飛行士になりたい!
パイロットになりたい!
一見、子供たちが見るような夢でも、りっぱな志望理由書の夢になります。別に恥ずかしがらなくていいです。
その夢のきっかけを熱く語って下さい。
くり返し言います。
志望理由書を舐めるな!
誰にでも夢はあるはずです。しかし、見つけられないのなら、まだ見つからないのなら、『夢の見つけ方』のページをヒントにしてください。
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