面接試験対策②

面接練習

解説

 次に、面接試験への臨み方についてお話しましょう。

志望理由が全て

 高校、予備校によっては、面接アンケートというのを実施しています。これは推薦入試、AO入試、一般入試などの面接試験において、どのような質問をされたのか、また、どのように答えたのかを受験生から聞き取り調査するものです。試験直後などは、緊張がほぐれたせいか、思い切り武勇伝を語ってくれ、絵の上手い受験生などは、絵入りで説明してくれるくらいです。
 それらのアンケート結果を照会してもわかるとおり、同じ大学、同じ学部学科を受験する受験生であっても、質問の内容は異なります。これは一体どういうことでしょうか?
 答えは簡単です。まず、志望理由なんてのは必ず聞かれる質問ですので、最初に問われるでしょう。その後の質問は?大学、学部によって変わってきますが、原則、必ず聞かなければならない質問というのは限られており、それ以外は志望理由書をもとに面接が進められるからです。
 また、受験の際、大学へ提出される推薦書、調査書の内容からも質問を受けたりしますが、原則、その手の書類には悪いことなど書かれていませんから、確認程度にとどめて、むしろ、個性的な志望理由に関して突っ込んでくるでしょう。

大人を舐めるな

 よく内申点が欲しくて生徒会長になったり、クラブ活動に参加したりする受験生がいますが、これはあまりお勧めできません。というのは、面接でそれがどの程度のものだったのか、わかってしまうのです。
 大人の社会では常識ですが、対象となる人物と話しをしてみれば、おおよそどのような人物なのかがわかります。中には、どう考えても人をまとめる能力があるとは思えないような生徒が生徒会長をやっていたり、気の毒なほどの体格の受験生が柔道の無差別級でナントカ大会に参加していたりしますが、私など逆に猜疑心を持ってしまうでしょう。
 これら人を見抜く力というのは、何も大学の先生だからあるのではありません。学歴や学位など関係なく、大人になって、社会へ出て、人と塗れて、人生経験をつめば誰にでもわかるようになります。
 そう。
 きみたちの身の回りも見てください。初めてあった友達でも、いろいろと話すうちにだんだんと相手を知ることになると思います。そこで『あいつとは気が合う』なんて結論がでると思います。時間がかかるかもしれませんが、人と話すことで相手の情報を仕入れる能力は、君たちにもあるのです。
 ところが、ある程度『話せばだいたい相手の人となりがわかる』とは言ったものの、それがわずか10分前後の面接ではどうでしょうか?いくら頭のいい大学の先生といえどもすべてがすべてわかるわけではありません。そこで、評価される対象が限定されてくるのです。その主だったものが、選考(学部・学科)への適正です。
 その適正をアピールする上でも、志望理由書はおろそかにできませんし、面接で答える『おきまり質問』である志望動機についてもおろそかにできません。
 そして、その志望動機は十人十色の内容(のはず)なのです。
 最近、この手の『面接対策本』やら『志望理由の書き方』的な本が増えています。そこで、それらに書いてあるような模範解答をそのまま発言するような受験生もいます。たくさん訓練し、それを自分の言葉のごとくスラスラと発言します。それでも合格できる大学はたくさんあるでしょう。私も指定校推薦や学科で稼げるような受験生に対してはこれら無難な言葉を進めます。けど、面接終了後、面接官たちはつぶやくでしょう。『今年は(も?)小粒だね。』と。
 ではどうしたらいいでしょうか?
 答えは簡単です。十人十色。自分の言葉を良いのです。

自分の言葉で

 落ち着いた面持ちで面接にスラスラと答えられる受験生がいます。けど、その答えは、これまで何十何百と繰り返し聞かされた内容ばかりです。何のことはない。市販されている参考書の模範解答を丸暗記したか、先輩が残した面接アンケートを参考にしたか、はたまた学校の先生に『オリコウサン』になるよう強制されたかにすぎません。いわば、目の前で語っている受験生は『ロボット』なのです。
 これらの傾向について面白い話しがあります。日本人ではなく外国人の入試なのですが、実はこの外国人たちも例外ではないのです。ただ、明かに違う点もあります。
 外国人に面接訓練をしていると、同様に、模範的な解答を繰り返してきます。もちろん、日本語が不自由な外国人就学生ですので、そうするだけでも日本語力の向上につながります。しかし、面接試験ではそのようなことをといているのではないのです。あくまでもその受験生が何を考えているのか、それを聞いているのです。
 外国人就学生なんて非常に恵まれた環境にあります。彼らは実際に日本へ来て、日本社会を自分の目で見て、日本人と接することによって、自分たちの社会とは違う『異文化』を、身をもって体験しているのです。にもかかわらず、面接の返答がごくごく無難な、ありきたりな解答では、せっかくの宝物をどぶに捨てているようなものでしょう。
 そこで、私は、面接訓練の際、その学生を馬鹿にします。いや、学生の国籍・民族をも馬鹿にします。『だから、○国人は馬鹿なんだよ!!』と。
 すると、学生は怒り出します。そして、不自由な日本語を使って必死に『いくら先生でもひどすぎる』みたいに語りかけてきます。そこで叫びます。『それだ!』と。  たとえ言葉が不自由でも、その不自由な条件で、とにかく相手に自分の思い、情熱(ハート)を必死に伝えるのが大事なのです。
 そんなことを指導すると、少しずつではありますが、自分の本音のようなものを語り始め、最終的には自分の考えをまとめて行きます。
 これが面接訓練です。
 受験生自身のことを語らずに、何が面接試験なのでしょうか(爆笑)。
 さて、同じようなことを日本人受験生にやったらどうでしょう?
 …いや。泣いちゃいますね。
 そして、二度目の面接訓練の際、私の目を見ただけで泣き始めるでしょう。もう少し、彼ら(外国人就学生)のたくましさを見習えよ!と言うのですが、どうも通じません。
 自分の思い。それは誰にだって必ずあるはずです。けど、若いがゆえにそれが言葉にならなかったり、周りの目を気にしすぎて『話したら笑われるんじゃないか』と心配したり、その結果、自分自身を殺してしまいます。それは仕方のないことかもしれません。なぜなら、それまで自分を殺して『オリコウサン』として育てられたのですから。
 いまさら意見を言えなんていわれても迷うだけだよね。
 けど、それじゃぁいけないんだ!!
 この気持ちをまず心に焼き付けましょう。

 

面接質問集
リラックスして臨もう!
面接試験とは『受験生と直接話すことで相手の人となりを試験する』ものである。そのため、『自分の言葉で、自分の考えを言う』『大人を舐めるな、面接官はいつも触れ合っている学校の先生とは違う』!

 

  

解説②